日本の高校には進学せず、1人で海外へ。
留学と聞くと、大学生の間に1年間留学に行ったり、高校生が夏休みを活用した短期留学などが人気ですが、
自分は中学を卒業してすぐ、1人で家を出て、高校3年間の留学を体験しました。
ネット上には「高校留学は素晴らしい経験になる」というきれいな話も、「早すぎる海外生活は危険だ」という不安を煽る話も、どちらも溢れていて、果たしてどちらが正しいのか分からなくなりますよね。ここでは、そのどちらの立場も取らず、15歳から3年間、実際にそこで生活した人間として、良かったことも、しんどかったことも、費用のことも、後悔していることも、実体験ベースで共有していきます。
高校留学を考えている当事者の方も、送り出す保護者の方も、感情論ではなく一つの判断材料として読んで頂けたら幸いです。
高校留学の種類は?何歳から行けるのか
留学と一口で言っても、行く期間の長さによって、その意味も意義もかなり変わっていきます。
短期留学
- 夏休みや冬休みなどの長期休みを活用して、1ヶ月前後、海外の学校に体験入学をする
- 日本の高校に在籍しながら行くので、現地高校に在籍履歴は残らない
- 在籍している高校と提携している海外の学校、もしくは留学プログラムで指定された学校へ通う
- 短期的な語学力向上よりも、現地での生活を通じて、新しい価値観や文化を体験する意味合いの方が大きい
- 短期留学では、劇的な英語力向上はそこまで期待するべきでない
- 短い期間内なので、予め決められたスケジュールに沿って、学校体験だけではなく、観光等も楽しめる
中期留学
- 半年〜1年間のまとまった期間の留学
- 高校を休学して留学に行き、終わったタイミングで復学ができる
- 1学期以上、まとまった期間現地の学校に通うため、その学校での在学歴や、単位も取れる可能性もある
- 体験ではなく、本格的な現地での生活を送ることができるため、ホームステイファミリーや友達など、深い人間関係も構築できる
- 現地の学校もお客さんではなく、1人の生徒として扱うので、大きな語学力の向上を見込める
- 学習範囲の違いもあるため、留学期間中・復学後の学習面でのハンデを背負う可能性あり
長期留学
- 高校生活の大半、または全てを海外で過ごす
- 日本の高校には在籍せず、完全に現地の学校に在籍し、卒業資格も取得する
- 自身で留学に行く国を選ぶところから、自分が通う学校も自分で決められる
- 留学生という立場ではあるが、完全に学校に在籍する1人の生徒として見られるので、成績面や語学面で求められるハードルも高くなる
- 生活の大部分が英語(英語圏の場合)になるため、自然と語学力の成長は早い
- 大学の進学先も海外の可能性が広がる
このように、いく期間によって体験できることが大きく変わってきますが、一般的に留学が可能な年齢の目安は、その人が自立心を持てているかによります。
私が中学生の頃、同級生が何人か夏休みの間にアメリカやセブ島へ短期留学をしていたので、短期であれば13歳からでも問題はないと考えられます。
中期、長期留学に関しては、その人の保護者への依存度(精神面、生活面)で大きく変わってくると思います。例えば、家の家事なども全て保護者に任せていたり、何か言われるまで行動しないような人だと、留学生活の中でホームシックになりやすい傾向があります。
海外は、いい意味でも悪い意味でも個人の自由が大きい分、自分の責任も大きくなります。自分の行動に責任を持てる方なら、何歳からでも留学は問題ないでしょう。
私は幼少期の頃から、家の手伝いや、自分の洗濯物、自分がやりたい習い事は自分が責任を持って管理するよう教わっていたおかげか、留学期間中は何一つ精神的な問題はありませんでしたし、親も特に心配せずに送り出してくれました。
高校留学のメリット
ここでは、自分と、周りの留学生仲間が実際に経験した3年間の長期留学で感じたメリットを書いていきます。短期・中期留学にも共通するものもありますので、参考にしてください。メリット、デメリットと分けていますが、何をもってデメリットと感じるかは人それぞれなので、予めご承知ください。

英語力が「使える」レベルまで伸びる
私は両親の仕事の影響で元々英語が話せていましたが、同級生の留学生(中国人やベトナム人)は殆ど英語が話せない生徒たちもたくさんいました。
最初はコミュニケーションでも苦労していた友人たちが、いつの間にか普通に英語で会話できるようになり、ついていけなかった英語の教科書も、きちんと英語として理解し、英語で書き出すレベルまでに成長していました。
やはり、生活の大部分が英語に置き換わることで、否応なしに、ストレスのない生活を送るように英語力が上達していきます。
また、元々英語が話せた私も、会話以上に、長文のエッセイや論文を詳しく書き切るライティング力の向上や、アカデミックな英語、社会で実際に使える英語を磨けることができました。
短期留学では英語学習に目覚めるきっかけにはなりますが、長期留学以上に「現場で使える英語」を身につける環境はないでしょう。
同世代より早く「一人で生きる力」がつく
大半の同世代の人たちが保護者のもとで生活する中、1人で海外で生活することで、精神的な自立心、責任感が大きく成長し、様々なトラブルにも動じず対処できる、「一人で生きる力」を身につけることができます。
個人的に感じた大きなメリットとして、年上や大人の人と接する際、同世代よりも精神年齢が高く見られ、対等な立場で話してくれたり、受験やアルバイトの面接の際もかなり有利になります。
より早く自立した精神を育むことで、その後のビジョンややりたい事ができた際、合理的な行動や目標設計ができ、スタートダッシュに成功しやすいと思います。
反面、久しぶりに会った同級生の会話の内容が少し幼稚に感じてしまい、寂しく感じることもあるかもしれません。
日本の高校では得られない視野・価値観が身につく
個人的には一番のメリットだと感じていますが、海外の高校で生活することで、本当に多種多様な考え方に触れることができます。
見える視点が増えたり、物事の考えの深みが増したり、選択肢が大きく広まったりと、今後の人生において大きな糧を得られます。
私が卒業したオーストラリアでは、日本とは違い、高校を出てすぐ働くか進学するかといった進路が特別視されません。進学する前の1年間ギャップイヤーを取り、世界中を旅したり、今後の人生を考え直す時間に使ったりと、それぞれの進みたい道を尊重する空気感が素敵だなと思います。
他にも、私がオーストラリアの3年間で触れて今の自分の基盤となったことは、
- 失敗に対する捉え方の違い
- 自己主張・意見を言うことの大切さ
- 多様な選択肢を考えられること
- 「日本人」を外側から見る視点
- 多様な価値観・宗教・生活習慣が「隣にある」感覚
- 年齢や上下関係より、実力や結果がそのまま評価に直結する環境
たくさんの考え方に触れることにより、将来壁にぶつかった際、他の人だとめげてしまうことでも、なんとかなる精神で乗り越えることができます。
早いうちに「普通のレール」から外れる経験ができる
周りの人と違う行動を取ることで不安を感じるのは、小心者だからではなく、人間の本能的にも自然なことです。遥か昔は、集団から外れることはかなり危険で、生存に関わることだったからです。
現在でもその本能は私たちに引き継がれ、周りと同じ道を進むことが精神的な安定につながっています。
現代ではファッションや趣味などで個性を出したい、特別な人になりたい、有名になりたいなどの願望が目立ちますが、実際に行動に移して継続できる人はごく僅かですよね。
そんな本能から脱却して頭のネジを何本か外せた人がイーロンマスク然り、皆さんが知っている有名人や成功者となるのです。
少し大袈裟に書きましたが、長期留学は日本人の規定のレールから外れた行動をとるので、一度外れたレールは、その後ありとあらゆるレールに乗っかり、変更すことができます。
夢を叶えるために実際に行動に移して継続できる人はごく僅かですが、長期留学は半強制的に継続をとれる環境に身をおけるため、そこの努力は必要ありません。
早いうちに「普通のレール」から外れる経験をすることで、その人の世界は大きく広がります。
目的のためのより良い環境に身を置ける
留学をしたい人は、何か明確な目的があると思います。もしもまだ定まっていなければ、留学を決意する前に決めておくことを強くお勧めします。目的・理由がはっきりしていない人は、留学を後悔することが多いからです。
私の場合、オーストラリアへの留学は現地でプロサッカー選手になりたいという明確な目的がありました。恥ずかしながら日本ではずっと補欠だった私は、夢のために合わない根性論のサッカーよりも、のびのび自由に楽しみながら、現実的にプロになれそうな国を選びました。
僕が大好きな本田圭佑さんはとにかく環境にこだわれ、と言っています。目的のために、合わない環境にいることはデメリットでしかありません。
あなたの目的がなんであれ、より良い環境を求めて、そこに身を置くことを優先させましょう。
高校留学のデメリット
友人関係・日本の学校生活を手放すことになる
未だに未練が少し残っているものですが、日本での高校生活は学業のほかにたくさんのイベントがあり、人生の中でも忘れられない思い出となると思います。もちろん、海外の学校でもイベントはありますが、ドラマや漫画、小説で見たような青春の高校生活を手放すのは惜しいことでもあると思います。
実際に、日本の漫画大好きな中国人の留学生に、「何日本の高校生活を捨ててこっちに来ちゃったんだよ」、と本気で残念がられた思い出があります。笑
また、友人や彼氏・彼女と離れるのは15歳の思春期にとっては一つの大きな決断でしょう。時差で日本の家族や友人とのやり取りが難しいことも出てくる場合もあります。
孤独・ホームシックとの戦い
個人的には全くありませんでしたが、留学生仲間でホームシックになり登校の頻度が減ってしまったり、途中で退学して帰国する生徒もいました。
自立心のある人なら何も問題はありませんが、そうでない人からすると、家族と離れて異国の地で生活することはかなりの苦痛となってしまう場合もあります。
進路の選択肢が日本の一般的なルートから外れる
こちらをデメリットと感じるかどうかもその人次第かと思いますが、
日本の一般的なルートから外れることにより、通常のキャリアとは別の方法を取ることになります。よく知っている進学、就職、転職のルートは当てはまらないので、自らの手で掴み取る必要があります。
個人的な経験として、留学後、海外で社会人経験をした後、日本に帰国しての転職活動が思うようにいかなかったので、学歴や会社名に頼らず、自ら自分の価値を正確に伝えることが重要だな、と感じました。
海外で選択肢が広がった分、日本でのルートからは外れることも予め理解しておきましょう。(帰国子女枠での日本での進学もあるので、リサーチは忘れずに)
費用がかかる
円安が進む現在、特に英語圏の国々(アメリカ、イギリス、オーストラリア)の学費はもちろんのこと、物価も上がっており、生活費がかなり高くなっています。
学費、教科書代、制服代、習い事、ホームステイ、ビザ、交通費、娯楽、課外活動、大学受検費用…などなど。
日本の高校では考えられないような金額がかかることを想定し、見積もりよりもさらに余裕をもった資金の準備をする必要があるので、親子でよく話し合って、留学という選択肢が一番良いのかどうかを決めることが大切でしょう。
費用については後述に記載しています。
言葉・文化の壁での苦労
こちらはデメリットというほどでもなく、むしろその為の留学ともいえますが、
特に文化の違いを中々受け入れられずに、馴染めないとホームシックの原因にもなり得ます。
食事面や生活圏での価値観の違いは、人によっては大きなストレスとなってしまうでしょう。

高校留学、費用はいくらかかったのか
こちらも一概には言えませんが、私が高校留学で行ったオーストラリアを参考にすると、本当にザックリとした費用間ですが、参考までに。
使用する留学エージェントや学校により学費やプログラム費用は大きく前後します。また、昨今の円安の影響で、オーストラリアでの生活費もかなり上がってきているので、余裕を持った費用の準備をお勧め
| 期間 | イメージ | 総額のざっくり目安 |
|---|---|---|
| 短期 | 1〜3か月 | 50〜150万円 |
| 中期 | 半年〜1年 | 200〜350万円 |
| 長期 | 2〜3年間 | 800〜2,500万円程度 |
さらに詳しく知りたい方は、私の英語学習用noteに詳細を書いているので、有料にはなりますが、本気で検討している方へ向けての内容になります。
15歳で単身留学して、後悔していること・していないこと
今振り返って後悔していること
- 日本の高校生活でしか得られない経験(受験、文化祭、同級生との時間など)で、後から「あれは一度きりだったな」と思うこと
- 準備不足・情報不足で損をしたこと:今の知識があれば避けられた失敗、もっと早く知っておきたかったこと(お金・生活・語学面など)。留学そのものではなく、留学に行くための前段階のリサーチが甘く、後になってより良い選択肢(学校選びなど)があったな、と後悔することがありました。
今でも「行ってよかった」と思うこと
- その後の人生の選択肢が広がったこと
この3年間がなければ、その後の海外での仕事や事業の経験はあり得なかったと思う
- 「一人でなんとかできる」という自信の土台になったこと
大人になってから困難に直面したとき、「15歳であれを乗り越えたんだから」と自身が持てる
- 日本人であることを、外から誇りを持って見られるようになったこと
海外に出たからこそ気づけた、日本や日本人の良さに誇りを持てている
- 今でも繋がっている人・関係があること
当時出会った人で、今でも連絡を取っている人ホームステイファミリーや友人と、仕事面で一緒になることもあり、心の支えになっている
- 「普通のレールを外れても大丈夫」という確信の原点になったこと
人生、夢にも思わないような出来事が起きたりする中で、普通でなくてもなんとか人生を満喫できると確信できていること
個人的には、後悔よりも結果的に行って良かったな、と思う場面に多々遭遇しております。
高校留学を考えているあなた・保護者の方へ
冒頭でも触れましたが、留学に向いている子・向いていない子の違いはありますが、何より大事なのは、
留学に行きたい理由・目的がはっきりしているかどうかです。私は明確な目的があったため、他に失うものがあれど、引きずることは無かったし、留学していた期間を有意義に過ごせたつもりです。なんとなくで留学をするのが一番得るものも少なく、何よりそれに使う費用感ではありません。
結論としては、高校留学は「メリットが上回るか」どうかではなく「覚悟の問題」だと思います。やりたい事、得たい何か、成し遂げたいことが本当に留学という方法が一番なのか、行く人自身も、送り出す人もよく話しあってください。
15歳の自分に伝えたいこととしては、明確な目的があったにも関わらず、どこかでだらけてしまった自分がいた事が一番の後悔です。自分がいかに恵まれているか、そしてどれくらい費用が掛かっているかを改めて見つめ直して、全力で留学生活を満喫してください。
そして最後に。
留学を決断した後、事前準備とリサーチは本当に大事です。必ず怠らないようにしてください。
もしも不安で相談したい場合は、筆者の私が直接ご相談お聞きできますので、良かったら。
